こんにちは。

数ヶ月前、Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙開発企業の宇宙船に、同氏と民間人が搭乗し宇宙への飛行に成功したニュースが報道されました。

コロナ禍で小旅行にも自由に行けないこの頃ですが、そう遠くない将来宇宙旅行に気軽に行けるようになるかも、と思わせる夢のある話題でした。

さて、普段忙しなく日常を送る中、宇宙について意識する事って皆さんはありますか?私はほぼ皆無です。

しかし最近読んだ小説をきっかけに、月並みですが今普通に地面に足をつけて二足歩行で歩き、空気を吸って呼吸できている事が奇跡の連続なのかもしれないと気づかされたのでした。

小説の題名は「三体」。中国のSF小説家:劉慈欣氏の世界的ベストセラーです。元アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ氏やFacebook創設者のマーク・ザッカーバーグ氏も愛読し、世界中で読まれています。

本書の魅力は第一に、想像を遥かに超えたスケールと緻密に組まれた世界観で王道SFが展開される物語としての完成度の高さにあると思います。

また、ページをめくるごとに作者の深く膨大な知識量に圧倒されます。作者はSF的な科学や天文学、物理学などに止まらず、歴史や哲学、芸術にも造詣が深い人物だという事がわかります。

因みに私は科学、天文学、物理学には全く疎いので、一生懸命想像しながら小説の状況説明部分を読んでいました。SFにそこまで詳しくなくても読めるように丁寧に説明されているので、読んでいて自分の中で内容を落とし込む事ができ、ディープなSFの世界に読者を誘ってくれます。ここに作者の高い文章力が表れているような気がします。

また歴史や哲学は自分が好きなジャンルなので、知っているエピソードやパロディが出ると純粋に嬉しく楽しめました。

気になる内容ですが下手に説明すると、綿密に伏線を仕掛けられたストーリーのネタバレになりかねません。題名の「三体」の意味を解説する事がそもそも地雷ですし、実体験としてほぼ予備知識なしで本書を読んだ方が驚きも増して楽しめるのではと思います。

※それでもあらすじなど気になる方はWEBの解説記事やWikipediaを見てみてください。

本作は第1巻にあたる「三体」、第2巻にあたる「三体Ⅱ 黒暗森林 上巻・下巻」、ラストの第3巻「三体Ⅲ 死神永生 上巻・下巻」の全5冊で構成されています。

ネタバレを防ぐためにそれぞれの巻の感想を顔文字で表してみたいと思います。

 

第1巻「三体」

(「・ω・)「

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第2巻「三体Ⅱ 黒暗森林 上巻・下巻」

_(┐「ε:)_

(「・ω・)「 乁( ˙ω˙ 乁)

(۳˚Д˚)۳= ▁▂▃▅▆▇█▓▒(´・_・人)

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(`・ω・´)ゞ   _:(‘ω’ 」∠):_

 

第3巻「三体Ⅲ 死神永生 上巻・下巻」

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Σ(‘ω’ノ)ノ

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以上、こんな感じです。やはり顔文字で説明するのは限界がありますね。上記の顔文字感想は60%くらいヤケクソで表現してます。

あと、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、手塚治虫氏の「火の鳥」シリーズの世界観が好きな人にはオススメしやすいかもしれません。

 

ところで本作を読んでいて一番良かった事は、自分の知り得ない事がこんなにもたくさんあるのだと直接気づかせてくれた点だと思いました。本は子供の頃から好きでよく読んできましたが、30歳になってこんなに新しい発見だらけの刺激的な物語に出会えた事が幸運だと感じます。また、本作の果てしなくマクロな視点からは自分は何も知らないし、学び続けても完全に理解をし得ることはないのだという事も教えてもらった気がします。

 

最後に、大森望氏をはじめとした翻訳チームにも感謝しています。

本書の後書きに翻訳時のエピソードなども語られていて、原作へのリスペクトや読者への配慮に脱帽です。

 

読書の秋ということで、オススメの本を紹介してみました。

グラフィックデザイナーの津森でした。